筆者: Leoni A.
編集者: Mehdi G.
翻訳者: Yohei S.
新しい言語を学ぶことは、教科書や暗記だけに頼っていると大変に感じることがあります。しかし、私たちが母語を覚えたときのように、もっと楽しく学べる方法があります。それが “読むこと” です。小説でもマンガでも、本は実際の表現や文化、日常で使われる語彙に触れさせてくれます。英語・日本語どちらの学習者にとっても、読書は物語を楽しみながら学べる、特別な学習ルートを提供してくれます。この記事では、それぞれの言語のための本のおすすめと、読書を最大限に活かすためのコツを紹介します。
英語を本で学ぶ
英語で読むことは、ネイティブスピーカーが文法や語彙を身につけるのと同じ感覚で学びを促してくれます。長い単語リストを暗記するのではなく、物語の中でフレーズを見ることで “実際にどう使われているか” が自然にわかるようになります。初心者に特におすすめなのは Oxford Bookworms シリーズです。英語学習者向けに書かれたレベル別に分かれているため、シンプルで短く、学習者の自信と読書のリズムを育ててくれる内容になっています。

もう少し難しい本に挑戦したいと思ったら、『ハリー・ポッターと賢者の石』はちょうど良い中級レベルの一冊です。多くの学習者に人気なのは、物語がよく知られているため、新しい語彙があっても内容を追いやすいからです。文章は分かりやすく、キャラクターは印象的で、魔法の世界観のおかげで楽しく読み進められます。
上級者向けには『グレート・ギャツビー』が定番の選択です。比較的短い作品ですが、文学的な表現やイメージ描写が豊かで、繊細な英語表現の理解を深めたい学習者に最適です。


英語の本を読むときは、内蔵辞書のついた電子書籍リーダーを使うと便利です。知らない単語を調べても物語の流れを長く中断せずにすみます。すべての文を逐語訳するのではなく、全体の意味をつかむことに意識を向けてみてください。読めば読むほど、英語がもっと自然に感じられるようになります。
本で学ぶ日本語
日本語は、漢字や文法、敬語などの存在から難しく感じられますが、読書を通じて学ぶことで、これらの要素をより自然に吸収しやすくなります。実際の物語の中で文法や漢字に触れることで、日常生活や会話の中でそれらがどのように使われるのかを理解しやすくなります。
初心者には、シンプルな言葉づかいやイラスト、豊富な文脈が特徴の「にほんご多読ブックス」がおすすめです。ストレスなく読書を楽しめるよう特別に作られたシリーズです。もう一つの入りやすい選択肢は、日常会話が多く、生活感あふれるストーリーで 人気のマンガ『よつばと!』です。自然な日本語表現がたくさん使われているので、学習者にもとても親しみやすい作品です。


中級レベルには、現代小説『コンビニ人間』がおすすめです。短く、自然な語彙が使われており、日本の働き方や社会についての文化的な理解も深まります。文章もシンプルで読みやすいため、日本語の小説を初めて読む人でも手に取りやすい作品です。

多読(Tadoku)という学習法も有効です。頻繁に立ち止まらず、自分のレベルに合った本を選び、まずは内容を楽しむことを大切にします。こうすることで読解の流暢さが早く身につき、学習の負担も軽くなります。
最後に
本は語学学習を楽しくしてくれる方法のひとつです。小説でも、マンガでも、レベル別リーダーでも、「本当に読みたい」と思えるものから始めることが大切です。1ページ読むごとに語彙が増え、直感的な理解が強まり、流暢さに近づいていきます。ページをめくり、物語を追いかけ、言語をあなたの旅の一部にしていきましょう。



