日本食は健康的なのか?

作者: Karen W.
編集者: Aika M.

みなさんは、日本食を食べたことがありますか??日本食は2013年に、「和食;日本人の伝統的な食文化」としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。この評価で、日本食が「健康的」であり、日本人の伝統と関わりがあるということが分かります。しかし、この評価だけでは日本食のどのような点が「健康的」なのかわかりません。また、日本食は海外の食事スタイルと比較すると「味が薄い・魚が中心・決まった味付け・ワンプレート式ではない」など、様々な違いがあります。そこで、日本の学校に通っている皆さんに、日本食のことを深く知ってもらうため、日本食が「健康的」である理由を紹介します。

はじめに、日本食が健康的である理由を栄養素の面から紹介します。皆さんは、人が健康的な生活を送るために必要な条件を知っていますか?それは、「栄養バランスの取れた食事をとること」です。栄養バランスの良い食事には、「五大栄養素」が必要です。この「五大栄養素」とは、「炭水化物・タンパク質・ミネラル・ビタミン・脂質」です。普段から、ジャンクフードやスナックばかり食べる生活をしていると、この「五大栄養素」が不足しカロリー過多になることで、肥満になりやすくなります。これでは、健康的な食生活といえません。しかし、一食だけ日本食を食べる生活をしたら、バランスよく栄養を摂ることができます。なぜなら日本食の献立スタイルは、「一汁三菜」だからです。この言葉は、「一杯の汁物と三種類のおかず」という意味です。この食事は、品数は多いけれど、一つ一つのおかずの量が少ないところが特徴です。そしてこの食事の目的は、色々な料理を少しずつ食べることで、一品では不足してしまう栄養素を補い合うことです。

そこで、実際に一食だけ日本食のスタイルを取り入れた、日本人である私の、ある日の食事を例に挙げて説明します。この日の「主食」は、「ごはん」。水だけで炊くので、淡白な味わいになり、どんな料理にも合います。「汁物」は、最近暑くなってきたので夏野菜を使った「なすとオクラの味噌汁」。「主菜」は、夏の定番料理であるゴーヤと卵と豆腐の「ゴーヤチャンプル」。「副菜」は、「夏野菜の春雨サラダ」。「副副菜」は、不足しがちなミネラルをおいしく摂るために「ささみと梅干の和え物」です。この食事メニューで使われる食材は「炭水化物のご飯・タンパク質の肉、卵、豆腐・ミネラルの梅干・ビタミンのゴーヤ、なす、などの夏野菜・脂質の春雨サラダ」です。このように「一汁三菜」の食事スタイルを一回とっただけで、健康的な食生活にぐっと近づきました。さらに、夏の旬の食材を生かした料理なので、季節の味覚を味わうことができました。

次に、日本食が「健康的」なのは、単に栄養素バランスが良いだけではありません。実は日本では、食材の味わいを活かす「調理技術・調理道具」が発達しています。地域によって違いはありますが、日本食の味付けには、「油・砂糖・塩」があまり使われていません。現在の日本の食卓では欠かせないこれらの調味料は、日本固有の調理法では使われていませんでした。なぜなら、油は高価なものだったので、1800年後半に西洋の食文化が入ってくるまで、料理に使われることは滅多にありませんでした。それまでは、食用ではなく灯火用として使われていました。
(引用元 https://japanese.hix05.com/Folklore/Food/food06.oil.html )

日本の魚を使った郷土料理に焦点を当てて、油が使われてこなかった例を紹介します。千葉、東京、埼玉の三県を見てみましょう。千葉では、古くから冠婚葬祭の時に食べられていた「太巻きずし」、東京では、代表的な日本料理である「寿司」、埼玉では、丑の日に食べる「ウナギ」です。これらの三種類の料理には、調理中に油が使われていません。元々「寿司」は「箱寿司」といわれ、正方形の木箱の中で魚を米で発酵させることにより保存する料理でした。現在のように生で食べられるようになったのは、江戸時代ごろお酢が調理法に加えられて、今の「寿司」の形になってからです。「太巻きずし」が食べられるようになったのも、「寿司」にお酢が使われるようになってからです。
(引用元 http://www.pref.chiba.lg.jp/annou/shokuiku/oishiichiba/dentou.html
https://www.gotokyo.org/jp/see-and-do/drinking-and-dining/tokyo-local-food/index.html
http://www.mizkan.co.jp/sushilab/manabu/4.html )

さらに、日本食が「健康的」なのは、日本の風土や環境が大きく影響を与えています。日本は「春夏秋冬」の四つの季節があります。日本国土は弓なりの形をしていて、北は亜寒帯の北海道、南は亜熱帯の沖縄まで長くのびています。さらに、四方八方が海に囲まれた島国でありながら、山もたくさんあります。この自然環境のおかげで、新鮮な海の幸、野菜、果物、山の幸などを、国内だけで採ることができます。地域ごとに違った旬の食材が使われ、独自の郷土料理を生み出してきました。
(引用元 https://www.jice.or.jp/knowledge/japan/commentary01 )

また、海や山などの多様な自然環境は、日本人の宗教観にも影響を与えています。日本人は自然に対して畏敬の念を持ち、「自然崇拝」の心を持っています。「自然崇拝」とは、自然物・自然現象を対象とする信仰で、それらを神格化し崇拝します。それに関連して年中行事が数多く存在します。年中行事は季節と結びついたものが多く、食文化と密接な関わりがあります。例えば、一年の始まりの「正月」は、元旦に新年の神様である「年神様」が、一年の幸福・子孫繁栄・五穀豊穣をもたらすとされ、「年神様」をお迎えするための行事として始まりました。そんな正月の主食は、「自然崇拝」の一つの「稲作信仰」から、もち米が使われています。もち米を蒸した後、それをつぶして練り固めたものが「餅」になります。「餅」は年神様へのお供えものとして、「鏡餅」といわれる円形の鏡をモチーフにした丸餅を、大小二段重ねにして飾ります。

正月は「おせち」という、年神様にお供えする田茂の供物料理を用意します。重箱といわれる五段ある正方形の容器に、家族の繁栄を願う縁起物を使った料理が入っています。一品一品の量は多くはないけれど、品数が多いという日本食の特徴が詰まった料理です。いくつかある「おせち」のおかずの中から、欠かせないものを紹介します。まず「紅白かまぼこ」は、「魔よけの紅と清浄の白でめでたい」の意味があります。「伊達巻き」は、日本の昔の本の「巻物」を意識した形をしており、「知識や文化の発達を願う」という意味があります。「栗きんとん」は、黄金色で縁起が良く「蓄財」の意味があります。「ちょろぎ」は「長寿を願う」という意味があります。他にも「子孫繁栄・不老長寿」の願いを込めたおかずが数多くあります。このように、「おせち」はおかずの品々にそれぞれおめでたい意味が込められていますが、海産物や山菜など多様な食材を使っているため、栄養価も高くバランスの良い料理になっています。
(引用元 https://allabout.co.jp/gm/gc/220732/ )

みなさんはこの記事を読んで、日本食が健康的である理由が分かりましたか?日本食のスタイル「一汁三菜」は、栄養素バランスがよく取れるので、健康的な食生活を送ることができます。また、「おせち」をはじめとして、様々な行事食があります。ぜひ、実際に体験してみてください!